マンガを使ったランディングページ制作をはじめ、ホームページや動画などの制作を通じてWebマーケティング事業を行う「EF(エフ)」。2020年創業の若い同社を率いる山田亜人代表のもと、No.2のポジションで、社内を統括しているのが、執行役員の胸永渉さんです。山田代表との出会いから、現在のお仕事内容、同社のカルチャー、そして仲間とともに見据える未来を語ってもらいました。
「この人と進みたい」山田代表との出会い
――前職もWeb制作会社の営業をされていたそうですね。
4年間Webサイトの営業をしていました。その当時、四六時中一緒にいて慕っていた先輩から、ベンチャーで一緒に仕事をしないかと誘われたんです。それがEFでした。当時のEFはまだ法人化したばかりのタイミングでした。
自分を呼んでくれたことが嬉しく、その期待に応えたいと強く思いました。また、数人しかいないベンチャー企業だからこその、仕事に取り組む熱量や、前進するためのひたむきさにも惹かれました。安定志向とは正反対の私の性分から、「面白いことができそう」「自分次第で今後の会社の未来が決まる」「新しいことをできるチャンス」と非常に興味が湧きました。
――決め手になったのは、やはり代表の山田さんとの出会いでしょうか。
「信頼している人が尊敬している人の会社」という点が大きかったように思います。先輩に、食事の席で山田に引き合わせてもらいました。実は、初対面のときは、ふざけた話しかしていないんですよ(笑)。しかし、そんな中でも「これまでに出会った人と違う」ということははっきり分かりました。とにかく個性的で、関西風に言うと「クセが強い」、そして自信に満ち溢れていながらも、感情豊かで熱い人だという人柄の魅力がひしひしと伝わってきました。
私は、人生は長いようであっという間に終わると思っています。そんな中で大切にしていることは「誰と過ごすか」。突き詰めると「誰と苦悩し、進んでいけるか」ということです。山田との出会いは「この人となら」と思うに十分なものでした。
――会社の草創期を振り返っていかがですか。
最初は資金が必要なので、全員で営業に出ていました。奇しくも全員が元営業職。バックオフィスのスタッフもいない中で、慣れない事務や労務などもしながら、会社のカタチ作りに全力を注いでいました。全員休日返上で夜遅くまで働いており、課題もたくさんありました。しかし、ギスギスした感じはなく、誰かに負荷がかかっても自然と協力し合える関係がありました。全員が当事者として問題に向き合うため、改善能力も高かったように思います。
苦悩を挑戦へ昇華させる強さを
――現在のお仕事内容はどのようなものですか。
会社のバックオフィスを総括する役目を担っています。クレジット会社や弁護士とのやり取り、人事の方針決定や労務関係など、幅広い業務に携わっています。細かいところではありますが、ゴミ箱の位置ひとつをとっても社内で決定する必要がある物事には目を配っています。また、若手社員の業務の相談に乗ることも多いです。
常に広い視野をもって、営業部が関わる業務以外の部分すべてをフォローすることで、経営陣がやるべき仕事に集中できるようにしていますね。
――メンバーとはどのようなスタンスで接しているのですか。
厳しすぎず優しすぎず、フラットな立ち位置で接することを心がけています。「質問するのが怖い」と思われると業務にも支障が出るので、何でも聞ける環境になるよう心を砕いています。ただ、自分なりに考え、答えを持って聞きに来る人材は成長スピードが速いので、その点は指導しています。
指示や指導の際も、背景と意図は必ず伝えています。「なぜそうしないといけない状況になっているのか」には、必ず理由があり、過去の改善の上に成り立ってきています。ただ単に指示をするだけでは「作業」になってしまい、本来の意図が伝わらないことがあるので、そこは大事にしています。
私の座右の銘は「病は気から」。ネガティブな印象の格言ですが、気持ちの持ち方次第で、なにごとにもポジティブな側面を見ることができると捉えています。程度加減はあるものの、「いいも悪いもその人の考え方次第」ということは本質だと思っています。価値観の強制はしませんが、自分も含め社内全体で、苦悩も挑戦へと変換できるような強さやしなやかさをもっていたいですね。
「利他精神」を胸に「生き急げ!」
――現在、注力されていることを教えてください。
社内カルチャーの醸成に注力しています。ミッション・ビジョン・バリューを軸にした、採用や人事評価にしていこうと動いていますね。おかげさまで40名の従業員を擁する組織にまで成長しました。AIでの記事作成事業がスタートし、海外事業にも進出しています。事業の拡大に伴い、一枚岩の強い組織にするために、会社のあり方を見つめなおしてカルチャーを醸成させていくフェーズだと感じています。
――社内カルチャーの醸成には、山田代表の精神も色濃く反映されているのですか。
山田が常々話している我が社の経営理念は「Rush to live」、つまり「生き急げ」です。人生が何年あるか、残りがどれだけかは誰にも分かりません。メンバーには後悔しない人生を歩んでほしい。そのために「1年でできそうなことがあれば半年でやろう。」と呼びかけています。
山田は利他精神が強く、「今関わっている人に何を残せるか」を考え、誰かのために動き続ける人です。周囲の人をプラスの方向へ動かす影響力があります。スタッフにはその精神におおいに触発されてほしい。視座も収入も上げるために、どんどん変化してほしい。それをメンバー一人ひとりにまで落とし込めるように、補佐役である私が動いていければと思っています。
――これからの胸永さんとEFの向かうところを教えてください。
組織の改革を進めるにあたって、私自身は「もっと学ばないと」と、自分との戦いに気を引き締めているところです。先が読めないこの時代において、経営層は判断を迫られ続けます。軸を決め、柔軟性とスピード感をもって物事に当たり、より利益を従業員に還元していきたいと思っています。究極は、仕組みを作り、私がいなくても会社が回っていく形を作ることです。
また、「利他精神」も弊社のキーワードだと思っています。マズローの欲求5段階説には、「生理的要求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」がありますが、その先にあり、マズローが後年付け加えたとされる6段階目の「自己超越の欲求」について、よく考えています。「自己実現の欲求」を満たした後、見返りを求めない利他精神のフェーズに達するというもの。つまり「世の中や社会を良くする」「自分の外側にあるものに対して貢献する」ということです。
そこで、今後は「現役世代の従業員エンゲージメントの1%アップ」を実現させ、社会に貢献することがEFの使命だと思っています。仕事に対して熱量を持った人が世界平均では23%いる中で、日本には5%しかいません。これからの時代に安定なんてないからこそ、私自身としてもその1%の底上げの中心として貢献していきたいです。